【サンシュルピス教会とサン・テティエンヌ・デュモン教会】映画でおなじみの、古くて伝統のある教会の現状と今後は

どちらに向かう

パリのサンシュルピス教会の最寄りのメトロ駅は「Saint-Sulpice」駅です。これはメトロ4号線に位置しています。この駅を出るとすぐにサンシュルピス教会にアクセスできます。
また、少し歩けば「Saint-Germain-des-Prés」駅(メトロ4号線)や「Rennes」駅(メトロ12号線)も利用可能です。

パリのサン・テティエンヌ・デュ・モン教会(Église Saint-Étienne-du-Mont)の最寄りのメトロ駅は「Cardinal Lemoine」駅です。これはメトロ10号線に位置しています。また、「Place Monge」駅(メトロ7号線)も近くにあり、こちらも利用可能です。どちらの駅からもサン・テティエンヌ・デュ・モン教会まで徒歩で行けます。

それぞれの歴史

両教会とも聖人に捧げた修道院が起源で、その後教会として発展し現在に至っている。

サンシュルピス教会の歴史

サンシュルピス教会は、パリのモンパルナス地区に位置するカトリック教会であり、1646年に建てはじめられました。この教会は、聖人として崇敬される聖セルピスに捧げられました。
建設は、セルピスの聖遺物がこの地に運ばれ、信仰の中心地として役立つことが期待されたことに起因します。

1646年にルイ13世の王妃であるアンヌ・ドートリッシュの命により建築が開始される。工事は何度も中断しました。
最終的には1745年に完成するが、1762年には火災、1770年には落雷により正面が破損するなど完成は困難を極め、何度も修復された結果、現在の姿がある。

サン・テティエンヌ・デュ・モン教会の歴史

サンテティエンヌ・デュモン教会は、パリのカルチェラテン地区に位置し、13世紀に建てられました。この教会は、パリ最古の大学であるソルボンヌ大学に隣接しています。 またパンテオンとも隣接し、古ーいイメージの3者がトリオのように固まっています。

サンテティエンヌ・デュ・モン教会の歴史は、13世紀にさかのぼります。この地には当初、12世紀に建てられたパリの守護聖人である聖ジュヌヴィエーヴに捧げる修道院がありました。しかし、後にその修道院は解体され、14世紀に現在の所に教会が建てられました。  

現在の教会の建設は、16世紀初頭に始まり、17世紀に完成しました。その後、数世紀にわたっていくつかの修復や改修が行われましたが、基本的な構造や外観はほぼそのまま残っています。

特徴と建築様式

サンシュルピス教会はバロックとネオクラシック

サンシュルピス教会の建築様式は、バロック様式とネオクラシック様式の影響を受けています。その華やかな外観と豊かな内装は、この時代の芸術の精髄を反映しています。
建築は、バロック様式特有の劇的で壮麗な装飾が施されています。これは特に教会のファサードに顕著に見られます。


また、教会内部には、多くの彫刻やフレスコ画があり、これらもバロック様式の影響を強く受けています。これらの装飾は、視覚的なインパクトを高め、訪れる人々を圧倒するデザインとなっています。
その他に、壮麗なフレスコ画や彫刻が施されており、これらはバロック様式の影響を色濃く受けています。特に、ドラクロワによる『ヤコブと天使の闘い』などの絵画が有名です。
新古典主義の要素として、教会の建築には、新古典主義の特徴であるシンメトリーと秩序が取り入れられています。
ファサードには、二重のコリント式の柱廊が設けられており、これが教会にクラシカルな美しさをもたらしています。


新古典主義のもう一つの特徴である幾何学的なデザインも見受けられます。教会の全体的な設計は、バランスの取れたプロポーションと明確な幾何学的な構成を特徴としています。

サンシュルピス教会は、そのバロックと新古典主義の融合が特徴的な建築様式を持ち、歴史的および芸術的な価値が高い建物です。パリを訪れる際には、その美しいデザインと壮麗な装飾をじっくりと堪能することができます。

サンテティエンヌ・デュモン教会はゴシック様式と少しルネッサンス様式

サンテティエンヌ・デュモン教会は、ゴシック様式の優れた例として知られています。その尖塔やアーチ、彫刻は、当時の建築技術と芸術の粋を示しています。
ゴシック様式の特徴的な尖ったアーチや細身の柱が、教会の内部および外観に見られます。これらのアーチと柱は、建物全体に優美で縦長の印象を与えます。


ゴシック建築でよく見られるバラ窓が、サンティエンヌ・デュモン教会にもあります。これらの窓は、ステンドグラスを通して美しい光を教会内部に取り入れ、神聖な雰囲気を演出します。
一部の要素ではルネッサンス様式の影響が見られます。ルネッサンス様式は、クラシカルな要素や古代ローマの影響を持ち、一部の彫刻や装飾にこれらの要素が取り入れられています。
サンテティエンヌ・デュモン教会は、これらの異なる建築様式を独自の方法で融合させています。そのため、他の教会とは異なる独特の外観と雰囲気を持っています。

それぞれの魅力

サンシュルピス教会

音楽とオルガン

サンシュルピス教会のオルガンは、世界的に有名である。
このオルガンは多くの著名なオルガニストが演奏しており、音楽愛好者にとっても重要な存在です。

文化財としての価値

サンシュルピス教会はフランスの歴史的記念物に指定されており、その保存と修復が継続的に行われています。これにより、文化財としての価値が守られ、市民からの支持を得ています。

観光地としての魅力

教会はその建築美と歴史的価値から、多くの観光客が訪れる場所となっています。観光による経済的な利益もあり、市民からの支持も高まっています。
ダン・ブラウンの小説『ダヴィンチ・コード』によって、サンシュルピス教会は世界的に有名になり、多くの観光客がこの小説の舞台を訪れるために教会を訪れます。

<正面の右の白い日時計の下から子午線が引かれていることになっている>

サンテティエンヌ・デュモン教会

・融合した建築様式、つまりゴシック様式、ルネサンス様式、バロック様式など、複数の建築様式が見られます。その結果、独特の美しさと歴史的な価値を持っています。

・サンテティエンヌ・デュモン教会の美しいステンドグラスやバラ窓は、芸術的な魅力を提供し、教会内部に神聖な光を差し込みます。

・パリの守護聖人である聖ジュヌヴィエーヴの聖遺物が安置されており、信仰の対象となっています。

・この教会は、映画『ミッドナイト・イン・パリ』で知られています。ウディ・アレン監督のこの作品では、パリの美しい風景と歴史的な建造物が豊富に登場します。
その中で、サンテティエンヌ・デュモン教会は、パリの1920年代にあこがれた主人公をこの教会前からそのあこがれの時代に連れていきます。パリの魅力的な景観を一層引き立てています。

それぞれの今後の方向?

サンシュルピス教会は、その壮大な建築と歴史的な価値を前面に押し出しながら、文化交流の場としての役割を果たそうとしています。一方、観光客の多さや修復の必要性が課題です。
その創建の動機は、聖セルピスの聖遺物を祀り、信仰の中心地を提供することでした。現在、教会はその目的を果たしており、信者たちの精神的な支えとして機能しています。観光客も多く訪れ、建築と芸術の美しさを楽しんでいます。

サンテティエンヌ教会は、宗教的な重要性と静かな祈りの場としての価値を強調しつつ、地域社会との結びつきを強化する方向を目指しています。ただし、知名度の低さやアクセスの不便さが課題です。

どちらの教会も、それぞれの強みを活かしつつ、特有の課題に対処しながら、未来に向けた目指す方向を持っています。

プロフィール
ツネジイ
ツネジイ

出身地は、東京ラブストーリーのカンチと同じ愛媛県。自動車会社でサラリーマンをやってました。趣味はサッカーと旅行です。旅行は、現地情報等徹底的に調べてから行きます。調べるのも趣味。見ている方に、行った気持になっていただければと思って書いています。

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