パリのサン・テティエンヌ・デュ・モン教会(Église Saint-Étienne-du-Mont)の最寄りのメトロ駅は「Cardinal Lemoine」駅です。これはメトロ10号線に位置しています。また、「Place Monge」駅(メトロ7号線)も近くにあり、こちらも利用可能です。どちらの駅からもサン・テティエンヌ・デュ・モン教会まで徒歩で行けます。
フランスの政治の変動をもろに受け、また建築様式も変動した中世の香りがする教会
サン・テティエンヌ・デュモン教会の歴史
この教会は、1045年に建設が始まり、1170年に完成しました。建設当初はロマネスク様式で建てられました。 12世紀から13世紀にかけて、教会はゴシック様式の建築に改築されました。
特に、13世紀には重要な拡張工事が行われ、ゴシック様式の美しい装飾が加えられました。
16世紀に宗教改革が起こると、サン・テティエンヌ・デュモン教会もその影響を受けました。修道院は一時的に閉鎖され、その後再び活動が始まりましたが、フランス革命の影響を受けて元の修道院は解散されました。
この教会は、19世紀に大規模な修復工事が行われました。その後も何度か修復が行われ、現在では観光名所として訪れる人々に歴史的な建造物として楽しまれています。
サン・テティエンヌ・デュモン教会の特徴
この教会は、ゴシック様式の建築で知られています。特に、その美しいアーチや装飾的な彫刻、尖塔などが特徴的です。ゴシック様式の特徴は、教会の外観や内部のアーケード、窓、天井などに見ることができます。
教会内には多くの美しいステンドグラス窓があります。これらの窓は、ゴシック様式の教会によく見られる特徴であり、キリスト教の聖書の物語や聖人の伝記などが描かれています。特に、教会内の光の美しさは、ステンドグラス窓を通じて感じられます。
教会内部には多くの彫刻や装飾が施されています。これらの装飾は、聖書の物語や聖人の伝記などを描いたものがあります。
この教会は、フランスの歴史的な出来事に関連しており、宗教改革時代やフランス革命などの時代に重要な役割を果たしました。
これらの特徴とともに、サン・テティエンヌ・デュモン教会はパリの重要な歴史的建造物の一つとして、多くの人々に愛されています。
この教会の特筆すべきこと
見どころの一つがパリの教会でここだけに残るジュベ(jube)という建築。今日パリで見ることができる唯一のものです。ジュベとはミサの際に司祭と信者を隔てる仕切り壁のこと。
ルネサンス時代にはパリ中の教会にあったジュベだが、フランス革命時に司祭の姿が見えなくなるので、ジュベは全て取り壊されてしまいました。
この教会では広々としたアーケードのおかけで内陣の様子が信者たちからも見られるようになっています。そのためジュベを取り外す必要がなかったので、現在までジュベは残されました。
白い石で造られたジュベは身廊の間にかかる橋のように設置され、らせん階段と透かし彫りの手すりが優雅な美しさを保っています。
ジュベの他にもサン・テティエンヌ・デュ・モン教会にはたくさんの貴重なものが残っています。サムソンに支えられた1650年製の木製説教壇や16世紀に造られた招待客のステンドグラス(聖書のたとえ話をが描かれたもの)、キリストの埋葬を描いた絵、パリ市による奉納物などがあります。
また聖マリア礼拝堂の柱の側にはパスカル(フランスの哲学者)とラシーヌ(フランスの劇作家)が埋葬されています。
教会では定期的に礼拝が行われます。また、特別なイベントやコンサートも開催されることがあり、音楽愛好家にとっても訪れる価値があります。
映画「ミッドナイト・イン・パリ」の舞台にもなった
「ミッドナイト・イン・パリ」は、ウディ・アレン監督の2011年の映画で、パリを舞台にしたファンタジー・ロマンス映画です。アメリカから作家に憧れてパリを訪れた脚本家が1920年代のパリにタイムスリップしてしまうという奇想天外なストーリーです。
この映画において、サン・テティエンヌ・デュモン教会は重要なシーンの一つで登場します。
映画の中で、主人公であるギル(演:オーウェン・ウィルソン)がタイムトラベルを経験し、1920年代のパリにタイムスリップします。ギルは夜中に街を散策し、偶然出会った人々と交流する中で
サン・エティエンヌ・デュモン教会の前で人に出会ったり、またその周辺を一緒に歩いたりするので、この教会の姿がたびたび出てきます。。
<この扉の前で過去に行くクラッシクカーに出会います>
そのシーンでは、サン・テティエンヌ・デュモン教会の美しいゴシック様式の外観が描かれ、パリの雰囲気と歴史的な魅力を表現しています。
映画全体がパリの魅力を称賛するものであり、サン・テティエンヌ・デュモン教会もその一部として重要な役割を果たしています。
ただ、この中世の香りがする教会から、1920年代にタイムスリップするということは、過去に戻っているということらしいけれど、ひょっとして1920年代の方が未来かもしれないなとも感じさせます。
このサン・テティエンヌ・デュモン教会とサンシュルピス教会とを対比する読み物を作成したので、良かったらご覧なってください。
サン・テティエンヌ・デュモン教会の近くの観光スポット
サン・テティエンヌ・デュモン教会があるこのカルチェ・ラタン地区には、他にも多くの観光スポットがあります。その中でも特に人気のあるものは以下の通りです。
パンテオン: サン・テティエンヌ・デュモン教会の近くに位置するパンテオンは、フランスの偉大な人々を称えるために建てられた建築物です。特にパリで最も重要な観光スポットの一つであり、中には著名な人々の多くの墓があります。
<パンテオンの展望台から見た教会入り口です、この前の道路に過去に連れていく車が来ます>
リュクサンブール公園: 教会から歩いて数分の距離にあるリュクサンブール公園は、美しい景色や花壇、噴水などがあるパリで人気のある公園です。散歩やピクニック、休憩するのに最適な場所です。
パリ植物園:豊かな歴史と多彩な植物、そして教育と研究の場としての重要な役割を持つ素晴らしい場所です。また、園内には国立自然史博物館が併設されています。
ザッキン美術館:ロシア出身の画家・彫刻家のオシップ・ザッキンのアトリエ兼住居として使われ、没後ザッキン美術館となった。
パリ・ソルボンヌ大学: 教会の近くには、パリ・ソルボンヌ大学があります。歴史的な建物や美しい庭園を見学することができます。