パリのロダン美術館の最寄りのメトロ駅は「Varenne」駅です。これはメトロ13号線に位置しています。もう一つ近い駅として「Invalides」駅(メトロ8号線および13号線、RER C線)も利用可能で、こちらもロダン美術館から徒歩圏内です。
ロダン美術館の成り立ち、特徴
美術館の建物自体は、1908年から亡くなるまでの約10年間、ロダンがアトリエとして使い、そして暮らした「ビロン館」 である。 1911年にフランス政府がビロン館を買い取ることとなったときに、この館を気に入っていたロダンが、自己の作品及びコレクションを国家に寄付するので、美術館として残して欲しいと提案した。ロダンの死後の1919年に開館した。2005年に改修されている。 ロダンがアトリエ兼自宅としていた館がパリ近郊のムードン にもあり、現在はそちらも美術館となっている。
美術館には、ロダンの代表作である「考える人」や「接吻」など、彼の重要な彫刻作品が展示されています。また、彼のドローイングや素材となったモデルの彫刻も展示されています。 美術館は美しい庭園に囲まれており、屋外にも多くの彫刻が配置されています。訪れると、ロダンの芸術に触れ、その作品に囲まれた環境を楽しむことができます。
ロダンは彫刻家として成功を収め、生涯を通じて多くの彫刻作品を制作しました。彼は自らのアトリエに多くの作品を保管し、また他のアーティストの作品も収集していました。
ロダン他の作品(室内展示)
考える人
先ずロダンと言えば考える人、 ロダンの最も有名な作品で、哲学的な思索を表現しています。 庭にも置かれていますが、また地獄門の中にも取り入れられてその一部となっています。
接吻
ギリシャ、イタリアの彫刻が彫刻そのものの概念であり、象徴的な表現が多かった当時としては、リアルで 情熱的な抱擁を描いた作品で、愛と感情のストレートな表現が特徴である。
青銅時代
制作当時は、彫刻の常識 ・対象は有名な人物が当たり前、・抽象的な表現が普通なのに、あまりにもリアルな表現ということで、批難轟々でなかなか受け容れられなかった。 しかし、ロダンはこのような非難を乗り越えて、新しい彫刻を次々と制作し、近代彫刻の創始者となった。
洗礼者ヨハネ
まるで目の前で、洗礼者ヨハネがそこにいる人々に対して、情熱的に、熱く説教をしているように感じさせる像である。
国を守れ
有名な松方コレクションにも入っている彫刻で、戦う荒々しさが直線的に表現されている。上野の西洋美術館も保有している。
髪に花の像
やさしげな女性の像で、その清楚な美しさと聡明さが強調されている。その人物の核となる個性や人柄を表現することを制作の本質としたロダンの、鋭い観察の結果で、心理的な描写を施すことにあった特徴が表れている。
地獄門上部の3人(室内)
地獄門上部の3人は室内にもある。
分別盛り (カミーユ・クローデル(ロダンの弟子)作)
明らかにロダンとロダンの内妻ローズ、そして、カミーユ自身が劇的に表現されています。男性を連れ去ろうとする老婆、その老人は後ろも向かず去ろうとする。その老人に追いすがろうとする女性の哀れな姿。あまりにも3人の愛情のもつれた関係が生々しく表現されていて、芸術的にどうかなとは感じました。
ゴッホのタンギ―爺さん
優れた芸術家は、自分以外の優れた芸術もよく理解できる、と言われているが、まさにこの作品は芸術家ロダンが、ゴッホの素晴らしい芸術を認め保存していたのだろう。この作品は日本の浮世絵がタンギー爺さんの背景にちりばめられていて、ゴッホが浮世絵を高く評価しているのがよく分かる。
ロダンの作品(庭)
ロダン美術館の庭園に出ると、広く美しい庭があり、そこにも沢山のロダンの作品が展示されている。
庭の先にアンバリッドの金色のドームが少し見える。
考える人
作品はやはり考える人から。
カレーの市民
英仏戦争の時代に、カレー市を救うため、犠牲を厭わなかった、カレー市民6人をたたえる像をロダンに依頼した。しかし英雄的な像を期待していたカレー市民から、ロダンの像は期待外れのために拒否されたが、時代とともに受け入れられた。この像は上野の西洋美術館にもある。
<カレー市民の中の一人 上の像の左から4人目)
地獄の門
ロダンが長期間にわたって制作した大規模な彫刻作品で、多くの彫刻が組み合わさっています。 制作の経緯は、新しく建設される予定のパリの装飾美術館のために、入口の門扉の制作を政府から依頼された。 ダンテの熱烈な読者であったロダンは、神曲の地獄の入り口の門をイメージとして制作に取り掛かったが、あまりにも多くの要素を取り入れようとして未完?に終わった。 しかし、考える人を含め、単体作品としては、独立して高く評価されている。
ウゴリーノとその息子たち(池の中央に設置)
同じく地獄の門の一部で、ダンテの時獄篇から題材を取っている。
ロダン美術館はいかがでしたか。パリの美術館をまとめた「パリの美術館」がありますので、是非ご覧になって下さい。
ロダン美術館のそばにある観光スポット
オルセー美術館: ロダン美術館から歩いて行ける距離にある、印象派やポスト印象派の優れた作品を展示している美術館です。
奇跡のメダイ教会:聖カタリナが聖母マリアに出会ったという、歴史の奇跡的な背景から、静かな祈りの場として、パリの信仰と文化を深く感じることができるでしょう。
アンバリッド:主に軍事と軍人に関連する歴史的な建造物です。ナポレオンのお墓もあります。