【オルセー美術館】、混沌を抜け花開いたフランス文化の発表会 

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パリのオルセー美術館の最寄りのメトロ駅は「Solférino」駅です。これはメトロ12号線に位置しています。また、RER C線の「Musée d’Orsay」駅もすぐ近くにあり、こちらも便利です。

オルセー美術館の概要

オルセー美術館(Musée d’Orsay)は、フランス・パリにある美術館で、19世紀から20世紀初頭までのフランスの美術や彫刻、工芸品を中心に展示しています。 フランスの作品を中心に展示しているということで、ルーヴル美術館とは時代分けしているだけではない存在意義があります。 オルセー美術館は、特に印象派とポスト印象派の作品で知られています。 モネ、マネ、セザンヌ、ゴッホなどの巨匠たちの代表作が展示されており、これらの作品は美術館の主力となっています。 オルセー美術館は、19世紀の芸術と文化を広範囲にわたって網羅しています。 絵画や彫刻だけでなく、家具、写真、工芸品なども展示されており、時代全体の芸術的な発展を理解する上で非常に豊かな情報を提供しています。

建物の歴史的価値

オルセー美術館は、かつては鉄道駅として使われていたギャレリー・ド・パリ・オルレアン駅を改装したものです。 この建物自体が19世紀の建築の傑作であり、美術館としての特異な雰囲気を醸し出しています。

オルセー美術館の作品紹介

オルセー美術館にもたくさんの作品が展示されているが、主な作品と私の趣味で選んだ作品を紹介します。

落穂ひろい/ジャン・フランソワ・ミレー

フランソワ・ミレー(Jean-François Millet)は、19世紀のフランスの画家で、主に田園風景や農民の生活を描いた作品で知られています。 彼の代表作の一つである「落ち穂ひろい」(”The Gleaners”)は、彼の特徴的なスタイルと社会的なメッセージを反映しています。 「落ち穂ひろい」は1857年に制作され、三人の女性が収穫後の畑で残された麦の穂を拾っている様子を描いています。 この絵画は、農民の日常生活をリアルに描きながらも、社会的・経済的な問題にも触れており、ミレーの社会的な関心が反映されています。

笛を吹く少年/マネ

マネは印象主義の運動の中心的な人物の一つで、従来の芸術の慣習に挑戦しました。 彼は物事の印象や瞬間の捉え方に焦点を当て、従来の写実的なスタイルとは異なる視点を提供しました。 マネはブラシのタッチや筆致に工夫を凝らし、絵画表現において新しい手法を模索しました。 これにより、この絵を見るとなんとなく普通の感じですが、独自の芸術的な魅力を持っています。

ヒナゲシ/モネ

モネといえばスイレンなのでしょうが、これからも沢山出てくるはずなので、ひなげしにします。 モネの絵画はしばしば色彩や光の効果に焦点を当て、具体的な対象を描くよりも、その瞬間の印象を捉えようとしました。 彼の特有のスタイルで、柔らかい色合いや光の反射を通じて、花の儚さや風景の美しさを強調している。

オーヴェルの教会/ゴッホ

やはりオルセーといえばこの人、ゴッホでしょう。 ゴッホのオーヴェルの教会は、強い筆致と鮮やかな色使いが特徴的です。 特に、赤や青、緑といった色が際立ち、絵画に力強い印象を与えています。 建物や景色が歪んで描かれ、形態が現実から逸脱していますが、それだけ強烈な印象を受けます。

ローヌ川の星月夜/ゴッホ

水面は濃い青色、街は青と紫色を使ってガス灯は黄色で強烈な色彩を取り入れてなく、どちらかといえば落ち着いた感じを与えている。 またゴッホは風景を独自の視点で描き、しばしば歪んだ形態や奇抜な構図を用いていましたが、独特なタッチはあるが調和が取れているように感じられる。 精神的にはかなり落ち着いた安定した時期の作品なのかな。

ポールマルリーの洪水/シスレー

シスレーは、印象主義の画家で、彼が描いた「ポールマルリーの洪水」は光や色彩の変化、風景の印象的な表現に焦点を当てています。 彼は自然の風景に魅了され、その美しさをキャンバスに捉えて、森、河川、田園地帯など、フランスのさまざまな風景を描いていました。 また、彼の作品には空気感が感じられ、遠くの景色や大気の透明感が絵画に生命を吹き込んでいます。 この絵も洪水という自然の驚異を描きながら、どこかほんのりとした感じを漂わせています。 シスレーは印象派の中では高く評価されていませんが、私は自然に向き合う空気感が好きです。

リンゴとオレンジ/セザンヌ

セザンヌは物体を基本的な形態や幾何学的な形に簡略化することを好みました ただ、この作品ではそれぞれをどこから見ているのか不明で、のちのキュビズムにつながったというのは理解できる。 この作品は、彼の印象主義の前衛的なスタイルや形式への挑戦を通じて、絵画の新しい方向性を示しています。 ただ私は後の時代の山の風景の方が好きです。

踊るジャンヌ・アブリル/ロートレック

ロートレックは、19世紀末のフランスで活躍したポスト印象派の画家で、特にモンマルトルのナイトライフや劇場のシーンを描いたことで知られています。 彼はダンサーや劇場のシーンを描く際に、躍動感や動きを巧みに捉えました。 彼の作品では、踊り手のエネルギーと情熱が躍動的に表現されています。

蛇使い/アンリ・ルソー

「蛇使い」は、エキゾチックで神秘的な雰囲気を持っています。 絵画に描かれた女性が蛇を使っている様子は、視覚的に興味深く、神秘的な印象を与えます。 ルソーは自己流の技法を用い、伝統的な美術教育を受けていなかったことからくる独自のスタイルが顕著です。 この神秘的な雰囲気が好きで、かなり期待をもって見た絵画の一つであり、期待に応えてくれました。

床削りの人々/カイユボット

ギュスターヴ・カイユボットは、19世紀末のフランスの画家で、印象派の一員として知られています。 建物や通り、人々の生活がリアルかつ独自の視点から描かれています。 彼はしばしば通常の視点から外れた場所や構図を選び、それが彼の作品に新しさと興味深さをもたらしています。 印象派の中では目立ちませんが、好きな画家のひとりです。

考える人/ロダン

オーギュスト・ロダンは、19世紀から20世紀初頭のフランスの彫刻家で、彼の作品は彫刻の新しい方向性を提示しました。 ロダンの作品は、人間の感情や動きを非常にリアルかつ感動的に捉えています。 「考える人」は、彫刻された人物の表情やポーズから、心の中で繰り広げられる深い思索が感じられます。 やはり、ミケランジェロ以来の偉大な彫刻家だと思います。

鑑賞方法のヒント

駅を改装したので割合分かりやすい構造だが、駅というのはこんな場所があったのだという盲点もあるので、お気に入りを見落とさないように。 進み方は上まで上がって、徐々に下に降りていくのか、下から順番に上がっていき、途中のカフェで休んでまた上がるのもいいでしょう。 本当に見どころ一杯の美術館です。

オルセー美術館のそばにある観光スポットは

セーヌ川沿いの散歩: オルセー美術館はセーヌ川のほとりにあります。美しい川岸を歩きながら、エッフェル塔やノートルダム寺院などの有名なランドマークを見ることができます。

チュイルリー庭園: オルセー美術館の近くにある広大な庭園で、散歩やピクニックに最適です。美しい池や彫像があり、季節によっては花が咲き誇ります。

ルーヴル美術館: オルセー美術館からセーヌ川を渡った先にある、世界最大の美術館の一つです。モナリザやヴィーナス・ド・ミロなど、数多くの有名な作品が展示されています。

サン・ジェルマン・デ・プレ地区: オルセー美術館の周辺には、シャンゼリゼ通りやエッフェル塔といった観光地とは異なる雰囲気のあるエリアがあります。カフェやブティックが立ち並ぶサン・ジェルマン・デ・プレ地区は、歴史的で魅力的なエリアとして知られています。

プロフィール
ツネジイ
ツネジイ

出身地は、東京ラブストーリーのカンチと同じ愛媛県。自動車会社でサラリーマンをやってました。趣味はサッカーと旅行です。旅行は、現地情報等徹底的に調べてから行きます。調べるのも趣味。見ている方に、行った気持になっていただければと思って書いています。

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